スイッチの差し込み位置をずらすことで、一台で色々な Row-staggered 配列を試すことができる分割キーボードです。
スイッチソケットが互い違いに 0.5u 間隔で配置されており、その範囲で好きな位置にキースイッチを移動することができます。
キー数自体も多めになっており、キーマップも含め自分好みのレイアウトを模索することができます。
コスト削減のためにプレートの用意がないため、基板のマウント穴とソケットだけでスイッチを支える構造になっています。使い込むうちに、だんだんスイッチの固定がゆるくなってくる可能性が高いです。
打鍵感にこだわった長く使えるキーボード、というよりは自分に合ったキー配列を模索するための実験基板と考えてください。
参考までに、実際に色々な配列を試しながら仕事で使っている私のキーボードは、キーキャップを交換しようとすると一緒にスイッチも外れるようになってきました。普通にタイプする上では今のところ支障ないです。
中段 (ASDF...) を基準に、上段 (QWER...) と下段 (ZXCV...) をそれぞれ左または右に 0.25u ずらすことができます (計 4 通り)。
左右で独立してレイアウトを選べるので、合計 16 通りになります。
代表的なものでは、
- equal row-staggered (HHKB Pro JP など)
- symmetric row-staggered (uTRON keyboard など)
- X row-staggered (Treadstone シリーズ)
- 逆 symmetric row-staggered (Answer40 風)
- 逆 X row-staggered (多分例なし、けど好き)
などを再現できます。
最大3キー分のスペースがあり、ここに2〜3キー載せることを想定しています。
アルファベット部分が一律 0.5u 間隔になっているのに対して、親指部分は 0.25u ズレと 0.75u ズレを交互に繰り返すようになっています。キーを置きたくなりそうなエリアにソケットを多めに設置して、 0.25u 単位で微調整することを狙っています。
1.25u, 1.75u などの長めのキーキャップを使用することでさらに細かく調整することもできます。
- 基板4枚 (うち2枚は底板として使用)
- いつもの
- ダイオード 1N4148w 54 個
- TRRS ジャック MJ-4PP-9 x2
- 2 ピンタクトスイッチ x2
- コンスルー付き ProMicro x2 セット
- スイッチ
- 5pin の MX スイッチ 最大 50 個 (うち 16 個を半田づけ、残りはホットスワップ)
- MX スイッチソケット 68 個
- ネジ類
- M2 スペーサ 5mm 10 個
- M2 ネジ 3~4mm 20 個
- ゴム足 10 個
- 基板 4 枚をすべて表 (スイッチの載る四角が並んでいる方) 向きに置きます
- 4枚それぞれに目印をつけておくと安全です:左手底板、左手基板、右手底板、右手基板
- 左手基板・底板は左の、右手基板・底板は右の親指クラスタが不要なので切り取ります
- ニッパやカッターで傷つけてからそっと折り取るのがおすすめです、力任せにやると稀に壊れます
- 一応、切り取らずに6つスイッチを並べてもちゃんと動くと思います (未検証)
- 左右基板にダイオード、スイッチソケットを実装します
- ダイオードはコの字の目印がカソード
- 一部のダイオードは向きが逆なので注意
- 左右基板に TRRS ジャック、タクトスイッチ、キースイッチをこの順に実装します
- 背の低い部品からつけるのが楽
- コンスルー付き Pro Micro を取り付けてファームウェアを焼きます
zk-phi/qmk_firmware
にあります:make morpho:phi:avrdude
- 底板をねじ止めしてゴム足を貼れば完成
- 底板と基板の向きを揃えないとコンスルーの足が引っかかります