KISSきゃっと
とは、 のらきゃっと型アンドロイド の口についているインターフェースである KISS
を使うもののことを指す一般のらきゃっと用語である。
この概論では、KISS
およびそれを使用する ますきゃっと
とその関係について論じていこうと思う。
KISS
とは Knowledge Interact Share System
の略 で、アンドロイド向けの インターフェース である。
アンドロイド - アンドロイド 及び アンドロイド - 人間 との 接触通信 を行う為の規格である。
当初は 自然な形での接触通信を行う為の形として、アンドロイド側の口に付ける為の インターフェースで、その名の通り、口づけを行う形で通信を行う。 人間側は指輪型のデバイスを用い、それにより宛ら主に対する従者の様に跪いて指にキスをする様を想定されて作成された。
バージョンも幾つかあり、バージョンそれぞれの接点位置が違う為、違うバージョン同士の通信はネゴシエーションキスと呼ばれる独特なキスとなる。
近年のバージョンでは従来からの認証の他に、高速通信目的での改善等も入っており、ますます日常的に KISS
を行うことも増えてきた。
ますきゃっと
は のらきゃっと
型アンドロイドのファーストロット以降……つまり量産型のことを指し、旧人類が衰退した後の新人類のことを指す。
KISS
はそもそも人間 - アンドロイドの接触通信を目的としており、当初はその様な用途……つまり、主となる人類(今でいう旧人類)の指輪型デバイスと従となるますきゃっと(今でいう新人類)との橋渡しとしての機能もあった。
これにより 人語以外での高速伝達や、権限の付与・譲渡、場所によっては部屋に入る為の権限確認等多岐に渡り、旧人類衰退後も指輪型デバイスは指輪という形骸化はしているものの形として残っている。
例えば主
となるますきゃっとと従
となるますきゃっとそれぞれはKISS
による高速伝達も行うが、主と従という関係を表す為に主となるますきゃっとには指輪(デバイスとしての機能は無く、形骸化したものではある)をつけ、儀式的な意味での指輪への口づけという形で KISS
で行っていたやりとりの一部をそれにより模倣している。
勿論、口と口を合わせる形での KISS
で権限譲渡や、付与も行ったり、伝達もするが、これまでの形を残すという形で指輪には意味が与えられている。
また、旧人類の居ない現在ではそれらの意味の他に手軽な接触通信手段として重宝されており、言葉を発するよりも断然速く、基本的に実装されているKISS
は汎用的な直接通信手段として多用されている。
例えば次の様な感じである。
従「隊長、伝達事項が多い為、手短に
KISS
で失礼してもよろしいでしょうか。」(主が了解の意味を込めて従に唇を繋げる)
また、新人類は旧人類とは違い、性的感覚にばらつきがあり、そもそも実装していない場合もある。
中には重みづけの都合、他人との通信を行うことに快感(優先度を強く持つため快く思う)を感じるものは KISS
を使い、お互いの情報を交換しあうことに快感を覚えたりもする。それこそ旧人類にとっての交わり
に対する新人類的解釈にあたるものではないだろうか?
アンドロイドである ますきゃっと
は世代を重ねていくことでものごとの意味を失うことがある。
本来アンドロイドなど旧人類の様にボケることがないものたちは基本的に記憶を失うことが無いが、それは記憶容量というものを考慮しなかった場合であり、個としても必要な記憶、不必要な記憶の取捨選択をしていく過程に於いて忘れるという処理を行う場合がある。旧人類との関係性の為に存在していたが、その意味を失っても形式だけ残っている……先述した指輪型デバイスがただの指輪に置き換わったりするのもその影響であり、その儀式的要素がますきゃっと
自身に好まれた為であるからであろう。
そういう意味合いであるなら、扉の認証であっても無線によるスムーズな認証や、認証目的のインターフェース であるCATEYE
というデバイスによる認証も一つの解であるが、今でも懐古趣味(アンティーク)として、 KISS
による認証扉や カードキー
による認証扉の存在もちらほら見られる。
ますきゃっと
に限って言うなら 耳から出しているイヤホンジャックによる 通信が上げられるが、近年のノイズの少ない音声によるデータ転送技術からKISSと遜色の無い速度による通信が可能である。
ただ、ケーブルやジャックは消耗品の為、KISSと違い多く抜き差しして使うには劣化が進など欠点となる。また、差し込むという動作上、手軽さはKISSよりは下がる為、じっくり通信したいとき向けである。
(ますきゃっと同士向けの オス-オス の変換ピンも流通しているわけですし……。
本来、ますきゃっと
のインターフェース仕様は IMR Industry
(以下 IMR
) により決められており、 KISS
もその頃に取り込まれた仕様であるが、 IMR
解体後の世界では 11人のますきゃっと
により運営される団体である mass cat consortium
により策定されており、 IMR
解体後は規則的に5年おきに改定版の仕様を作成している。
その中で KISS
も共に更新され続けており、今では本来の役割から外れることは無いものの、大容量高速通信も行うことが出来る様になっている。
KISS
は基本的にどのますきゃっと
にもついている為、ますきゃっと
社会になることで色々な利用方法が試みられてきた。
- 車のカメラの出力と各種操作系入力を
KISS
に纏めた車 KISS
で操作する 飛行用外部パーツ- ヘルメット型のパーツの入力インターフェースが
KISS
一つ目は、一人乗り向けの車やバイクなどでは一時期人気が出たものの、二人乗りには向かず、また、KISS
を使うことで顔が見えないという問題があった。
二つ目は、複数人で飛行したりする場合、口が塞がってしまうことによる相性がよくなく、流行らなかった。
三つ目はヘルメットで頭自体が隠れてしまう為、KISS
との相性はよく、それなりに普及していると聞く。
この例から踏まえて、今後も KISS
は口を塞いでしまっても問題無い用途で使われていくと思われる。